ハード・ロック・ミュージックの雛形を作り上げたモンスター・バンドの頭脳
出生:1944年1月9日
出身地:イングランド ミドルセックス州ヘストン
ジャンル:ロック、ブルース
活動バンド:THE YARDBIRDS,LED ZEPPELIN,THE FIRM,他
主な使用ギター:ギブソン・レスポール、フェンダー・テレキャスター、他
おすすめCD
Led Zeppelin Ⅳ/LED ZEPPELIN(’71年)
ツェッペリンはアルバムごとに実験を繰り返したため、この4thだけで全貌を把握することはできないが、何はともあれ超名曲「Stairway To Heaven」は必聴。
おすすめ動画
Stairway To Heaven
略歴
ジャンル、世代を超えてあらゆるロック・バンドに影響を与え続けるレッド・ツェッペリン(ZEP)。その音楽的中枢神経だったジミー・ペイジがスコッティ・ムーアやジェイムズ・バートンの影響を受けてギターを始めたのは13歳の頃。見る見るうちにギターの腕を上げていった彼は、16歳で早くもプロとしての活動を始め、ニール・クリスチャン&ザ・クルセイダーズに参加している。
’62年頃より、ペイジはスタジオミュージシャン/プロデューサーへ転身する。彼がこの頃に行ったセッションは膨大な数に上っており、当時レコーディングされた楽曲の60%はペイジが弾いたもの、という伝説まであるほどだ。
’66年にペイジはザ・ヤードバーズに加入するが、これはベーシストとしての参加だった。しかしすぐにパートはギターに変更され、短期間ながら当時在籍していたジェフ・ベックとのツイン・ギター編成も実現している。ほどなくしてベックはヤードバーズを脱退。この頃からペイジは音楽面のイニシアチヴを握り、その実験精神を最終作『Little Games』(’67年)で押し出すことになる。しかし彼の先進的な音楽センスはヤードバーズにおいては発揮することが出来ず、解散の後、新バンドの結成に着手するのである。
ペイジの下に集まったミュージシャンは、既にスタジオ・ワークを通して顔見知りだったジョン・ポール・ジョーンズ(b)、ロバート・プラント(vo)、そしてプラントの元バンド・メイトだったジョン・ボーナム(dr)の3人。彼らはまず“ニュー・ヤードバーズ”名義でスカンジナヴィアをツアーするが、その後すぐ、“レッド・ツェッペリン”としての活動を開始する。このバンド名は、かつてペイジがベックやザ・フーのキース・ムーン(dr)等とバンドを結成しようとしたもののあえなく頓挫した際、キースが発した「こんなバンドは鉛(LED)の飛行船(ZEPPELIN)のようにすぐに墜落する」という言葉が元になっているという。
そもそもZEPは、ペイジの「ブルースを進化させた音楽を作りたい」というアイデアの下に結成されたバンドだったが、’69年のデビュー作『Led Zeppelin』(’69年)で聴かれるサウンドは、その言葉通り、ブルースを基盤としつつもこれまでに発表されて来たいかなるアーティストの音楽をも凌駕する、強力なハード&へヴィ・サウンドを体現していた。
そのあまりにも個性的な音楽性は、当初音楽マスコミから執拗なバッシングを受けていたのだが、そんな逆風もものともせず、ZEPは世界中のロック・ファンの心を瞬く間に虜にし、一躍ロック・シーンの頂点に立ってしまった。そして’71年の『Led Zeppelin Ⅳ』(’71年)においては「Stairway To Heaven」という究極のスタンダード・ナンバーまでも完成させてしまうのだ。
後の『Houses of the Holy』(’73年)、『Physical Graffiti』(’75年)といった名作においてはレゲエ等の要素を見事に取り入れる等、斬新なアイデアを盛り込んだ独自のサウンドを展開。特にペイジの作り出す名リフの数々は、その後のロック・シーンにおけるスタンダードとなった。
しかし’80年にボーナムが急死したことを受けて、ZEPは突如その活動に幕を下ろしてしまう。解散後のペイジはポール・ロジャース(vo)等とのザ・ファームの結成や、ソロ・アルバムの発表で’80年代を経過(その間にボーナムの息子ジェイソンをドラマーに据えた、1回限りのZEP再結成ライヴが2度実現している)。
’93年にはホワイトスネイク活動休止後のデイヴィッド・カヴァーデイル(vo)とカヴァーデイル・ペイジを結成し、’95年にはロバート・プラントと再合体。また’99年にはブラック・クロウズとのジョイント・ライヴを行ったりと、単発、もしくは短期間限定の活動に終始して来た。
ライヴ音源の発掘やリマスター等といった過去音源の再リリースが実現する度に、リスナーの間に“ZEPフィーヴァー”が沸き起こるという事実は、ZEPというバンドの威光の大きさを証明するものであった。そんなファンの声に刺激されたか、’07年12月にはロンドンでの再結成ライヴを敢行。名曲の数々を再現して世界のロック・ファンを熱狂させている。
関連書籍
書籍「奇跡―ジミー・ペイジ自伝」
レッド・ツェッペリンのデビュー当時メディアによる理不尽な攻撃を受けてから、長年メディアとの距離を置いてきたジミー・ペイジ。
『奇跡』は、50時間以上におよぶ御大とのインタヴューがコンパイルされた決定版です。R&Bの虜になった瞬間から、セッション・ミュージシャン、ヤードバーズを経て、レッド・ツェッペリンを結成し、世界一のロック・ギタリストとして君臨しロックのあり方を革新した若き日々の話から、ツェッペリン解散後30年以上におよぶ物語まで、これまで語られてこなかった偉業の数々が綴られたロック・ファン必須の1冊です。
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