常人のアイデアを超越した奏法でギターの可能性を拡大した“反逆者”
出生:1964年5月30日
出身地:アメリカ ニューヨーク州
ジャンル:ロック、パンク、他
活動バンド:RAGE AGAINST THE MACHINE,AUDIOSLAVE,THE NIGHTWATCHMEN、他
主な使用ギター:カスタムメイド・ギター、他
おすすめCD
Battle of Los Angeles/RAGE AGAINST THE MACHINE(’99年)
おすすめ動画
Killing In The Name
略歴
ラップとヘヴィ・ロックが融合した斬新な音楽スタイル、ポリティカルな歌詞によって、’90年代ロック・シーンにおいて異様な存在感を醸し出していたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(RATM)、その先進性をより強く印象付けていたのが、トム・モレロのギターである。
KISSやブラック・サバス、レッド・ツェッペリンを聴いた事で13歳の時にギターに目覚めるが、本格的に弾き始めたのは17歳、セックス・ピストルズに感化されてからだった。
その後、ランディ・ローズ、アル・ディメオラ、ヌーノ・ベッテンコートといったギタリストに影響を受けてテクニックを磨くが、一方、ジミー・ペイジやギャング・オブ・フォーのアンディ・ギルといったギタリストの実験的な精神にも感銘を受け、彼のギター・プレイに対する考え方はその頃激変する。ヒップ・ホップやテクノのサウンド、はたまたテレビから流れる雑音を表現するため、斬新な試みにチャレンジするようになった。
’92年に発表されたRATMの1stアルバム『Rage Against the Machine』では、HR/HM的なヘヴィ・リフが聴けると同時に、キーボードやシーケンサーのサンプリングのような不思議なギター・サウンドも聴く事が出来るが、これらはパブリック・エネミーやランDMCといったグループのDJからヒントを得たのだという。
弦を激しく擦る、ジャックからシールドを引っこ抜く、ワーミー・ペダルのモード切替ツマミを素早く回転させる等といった、通常のプレイとは異なるメソッドの数々は、ある意味邪道なものだったが、しかしそれも確かなテクニックに裏打ちされた実力があったからこそ実現し得たものだ。
RATMはザック・デ・ラ・ロッチャ(vo)の脱退を受けて’00年に解散するが、トムを含むその他のメンバーはサウンドガーデンのクリス・コーネル(vo)を加えたオーディオスレイヴに移行して’07年まで活動した。
’03年からトムはソロ・プロジェクトのナイトウォッチメンを始動させた他、’09年にはラッパーのブーツ・ライリーと共にストリート・スウィーパー・ソーシャル・クラブを結成。また’07~’08年にはRATMの再結成ワールド・ツアーも実現させている。
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