一切の妥協を許さず独自の道を突き進むレガートのパイオニア
出身地:イギリス ウェスト・ヨークシャー
ジャンル:HR/HM、他
活動バンド:TEMPEST,SOFT MACHINE,GONG,U.K.,solo,他
主な使用ギター:カーヴィン・カスタム・モデル、アイバニーズ・シグネチュア・モデル、シンタックス、スタインバーガー、他
おすすめCD
U.K./U.K.(’78年)
おすすめ動画:Proto Cosmos
略歴
アラン・ホールズワースは、父親がジャズピアニストという環境の下、幼少期から音楽に親しんでいる。彼は10代になってからヴァイオリンを始め(’73年テンペスト作品『Tempest』ではその演奏を聴くことができる)、ギターは16歳から始めている。
ただしこのギターの練習方法がなかなか異様で、父と同じくアラン自身もファンだったというジョン・コルトレーンのジャズ・スタンダード「Giant Steps」のコピー(同曲のサックス・フレーズをギターでナゾる)というものだったらしい。こういった形でギターに慣れ親しんだ結果が、ピアノのヴォイシングにヒントを得たというワイドなストレッチ・フレーズ、指板上を滑るようなレガート・テクニックにつながったのだろう。
19歳からプロとしての活動を始めたホールズワースは、’69年にジャズ・ロック・バンドのイギンボトムでデビューし、’72年に開催された“ブリティッシュ・ギタリスト・フェスティヴァル”で最優秀賞を獲得。これ以降、忙しなくバンドへの加入~脱退を繰り返すようになる。
’70年代に彼が参加したバンドの名前を列挙すると、ニュークリアス、テンペスト、ソフト・マシーン、ニュー・ライフタイム、ゴング、U.K.、ブラッフォードといった、ジャズ/プログレ系のロック・アクトである。とてつもなく個性的なプレイ・スタイルを買われて様々なミュージシャンからの誘いを受けたホールズワースだが、その一切妥協を許さない姿勢は、1つのバンドに留まる事を良しとしなかったようだ。
’76年『Velvet Darkness』でソロ・デビューも果たすが、このアルバムを「レコード会社が勝手に出した失敗作」として、公式作品として認めていないというのも、彼らしい逸話である。
度を越して頑固なだけに商業的成功とは縁遠いが、エドワード・ヴァン・ヘイレンを始めとして、彼を敬愛するミュージシャンは後を絶たない。
そのエディーが、レコーディング費用にすら事欠いていたホールズワースを資金面で援助、その結果生まれたのが、’83年のEP『Road Games』であった。
関連書籍
書籍「ジャズギター・ブック (Vol.15) シンコー・ミュージックMOOK」
ジャズ・ギターに関するプレイ&ハードを徹底研究するムック第15弾。
特集1としてアラン・ホールズワースを核とした超絶スーパー・テクニカル系ギタリストを大フィーチャーしています。ホールズワースのインタビュー、本人解説ディスコグラフィ、使用楽器の変遷、奏法分析など、ホールズワースの記事が全24ページあります。
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