己が立たされた苦境から激情のメロディを紡ぎ出した“飛翔神”
出生:1955年1月10日
出身地:ドイツ ザールシュテット
ジャンル:HR/HM
活動バンド:SCORPIONS,UFO,THE MICHAEL SCHENKER GROUP,他
主な使用ギター:ギブソン・フライングV、ディーン・シグネチュア・モデル、他
おすすめCD
Michael Schenker Group/THE MICHAEL SCHENKER GROUP(’80年)
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Rock Bottom
略歴
愛器フライングVを駆り、メロディックかつエモーショナルな神懸かり的プレイで、ファンから“神”と崇め奉られるマイケル・シェンカー。幼少時はサッカーに入れ込んでいたようだが、9歳の時に兄ルドルフからシャドウズを聴かされたのをきっかけに音楽に没頭する。当時、既にバンドを始めていた兄のライヴを観に行っていたという。
’66年、初めてのグループ:ジ・イノヴェイツを結成し、クライ、コペルニクスといたバンドを経て、’69年、兄のバンド:スコーピオンズへ14歳で加入し、’72年にアルバム『Lonesome Crow』でデビューを果たす。
ところが翌年、英国のバンド:UFOへ引き抜かれて渡英。同バンドではスタジオ作5枚とライヴ作1枚を残すも、ろくに英語も話せない状態でメンバーとなった事から、常にさまざまなプレッシャーやストレスに悩まされ続けたマイケルは、何度か失踪を繰り返した挙句、遂には’78年に脱退してしまう。
ただ、孤独な精神状態の中でギターと向き合う日々を過ごした事で、その楽曲には壮絶な泣きのメロディとドラマティックな旋律が込められ、扇情的なプレイにもつながった事は見逃せない。
その後、スコーピオンズへの一時的復帰を経て、’80年に自らの名を冠したマイケル・シェンカー・グループ(MSG)を結成。同年発表のデビュー作『Michael Schenker Group』の邦題に“神”とあった事から、そのままそれがニックネームにして代名詞として定着していく。
しかし、MSGの活動も決して順風満帆ではなく、数々の名盤・名曲を世に出しながらも、メンバー・チェンジは数知れず、そのたびにファンをやきもきさせる事に。以降、マッコーリー・シェンカー・グループを立ち上げたり、再結成UFOへの加入/脱退を繰り返したり、ソロ名義でアコースティック作を発表したり、新たにMSGを復活させている。
’90年代以降も、ひとところに留まらない活動を送るマイケルだが、極上のトーンで叙情的に弾きまくるそのプレイ・スタイルは不変で、’00年代には精神的に不安定な時期もあったものの、その人気は衰えを知らない。
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