哀愁溢れるメロディが心に響く、ギター協奏曲の超名曲!
タイトルの「アランフェス(Aranjuez)」とはスペインの首都マドリード州南部に位置する都市の名前から。
この曲が作曲された当時「アランフェス」がスペイン内戦で被害を受けたことから、スペイン出身の作曲者「ホアキン・ロドリーゴ(1901 – 1999年)」が、スペインとアランフェスの平和への想いを込めて作曲したと言われています。
(↑アランフェス宮殿)
協奏曲(コンチェルト)というのは、独奏(この曲の場合はクラシックギター)と合奏群(オーケストラ)が対比される演奏形式。
独奏者のテクニックとオーケストラの迫力が同時に楽しめるので、音楽の形式の中でも人気がありますね。僕も協奏曲大好きです。
たいていの場合3楽章形式でできており、アランフェス協奏曲も同様で以下のような感じ。
・第2楽章 Adagio ロ短調
・第3楽章 Allegro gentile ニ長調 ※ gentile→やさしい、おだやかな
アランフェス協奏曲は3楽章形式にありがちな「急・緩・急」になっていて、第2楽章のメロディが超有名ですね。
演奏動画
クラシックギターの超有名曲ですので、多くのギタリストが演奏しています。
その中でも圧巻の演奏だったナルシソ・イエペスの動画をはっておきます。
イエペスといえば、映画「禁じられた遊び」で愛のロマンスを演奏した事で世界的にメジャーになったクラシックギタリストですね。
まずは第一楽章から。
この動画肝心な最初が切れてしまっています、ごめんなさい。
気になる人は最後にジョン・ウィリアムスの演奏をはっておきますのでそれで勘弁してください。
この動画では切れてしまっていますが、入り口はギターソロのストロークから始まります。
手前でちょっと不穏な感じになってから、「1:03」からの伸びやかなメロディがカッコ良くて好きですね。
協奏曲の醍醐味であるソロとオーケストラの掛け合いも見事なので、何回か聞いてほしいですね。
ソロが弾いたあのメロディをオケが弾いてるとか、その逆もあったりして。ひとつのモチーフがいろんな場面で出てきて曲が構成されているのを楽しんでください。
続いて、第二楽章。
コードストロークからはじまり、それにのせてイングリッシュ・ホルンによって提示される主題が超有名です。
アランフェス協奏曲といえば、この物悲しいメロディですね。
「0:39」からそのメロディをギターでも弾いていきます。
「4:09」からは1回目の独奏部分、「6:33」から2回目の独奏部分です。「8:12」あたりから盛り上げていってストロークでオケを呼び出すところがカッコいいですね。
第二楽章は終始悲しい響きで進行していましたが、最後は平和が訪れたかのような穏やかな響きで温かさに包まれます。
最後に第三楽章。
明るくリズミカルな楽章で、ノリよく楽しめますね。
「2:09」からのギターらしいアルペジオが心地よいです。
ジョン・ウィリアムスが演奏している動画です。これは全楽章つながってますね。
ちょっとオケが頼りないかしら…。
イエペスの演奏と見比べると、演奏者が変わるとこんなにも違うのかっていうのが如実にわかると思います。
僕は、イエペスの演奏の方がノリがスペインぽい感じがあって好きですね。熱いというか演奏から気合いを感じます。
日本でいうところの江戸っ子的な性格に近い気がして惹かれるんですよね。
収録CD、楽譜
収録CD「ロドリーゴ:アランフェス協奏曲」
イエペス演奏によるクラシックギター協奏曲集です。
[試聴]ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
【収録曲】
アランフェス協奏曲(J.ロドリーゴ作曲)、ある貴紳のための幻想曲(J.ロドリーゴ作曲)、ギター協奏曲(M.C=テデスコ作曲)
楽譜「ロドリーゴ : アランフェス協奏曲/オイレンブルグ社小型スコア」
スコアです。
もし興味のある人がいましたらどうぞ。
コメント
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こんばんは
この曲はおっしゃる通り、
スペインらしい熱気がポイントですよね。
自分はいつもジム・ホールの演奏で
この曲を楽しんでいましたが
ナルシソ・イエペスは
メリハリが効いた
ドラマティックな演奏で
素晴らしかったです。
優雅なジョン・ウィリアムスのヴァージョンも清々しくて良かったです。
アランフェス協奏曲15人のギタリストの演奏を聞いて、正統派はロドリーゴの献呈者の、レヒーノサインスデラマーサですね。評論家の言うことに惑わされずに傾けると、弦の響きの美しく感情に極端に傾かない冷静な演奏を聞くことができます。昨年惜しくも急逝されたパコデ、ルシアのとオケのハーモニーが素晴らしいです。